明治15年、滋賀県の柳ヶ瀬〜長浜間に鉄道が開通。同17年にはさらに福井県の金ヶ崎(のちの敦賀港)
まで延長され、大正2年、新潟県の直江津まで全線開通した。当時の旧北陸本線敦賀線(敦賀〜長浜)は、北陸米を大阪の市場に運
搬することを主目的に建設された。それまでの運搬は舟運のみで、「新潟・敦賀〜下関経由〜大阪」あるいは「敦賀〜琵琶湖〜淀川
水運」のルートであったが、敦賀線の完成により、それまで約半年かかっていた所要日数が3日に短縮されたのである。 しかし、急勾配とトンネル、急曲線が多かった旧北陸本線は、その後の輸送量の増加も手伝って、ルート変更が戦前から検討さ れ、昭和44年、ついにその工事が完了し現在に至っている。
国鉄中之郷駅跡(2004年12月23日撮影)
国道365号線沿いにある国鉄中之郷駅跡。滋賀県伊香郡余呉町中之郷地先 余呉町役場に隣接する
中之郷警察官駐在所前に位置する。
(2004年12月23日撮影)
柳ヶ瀬地区にある雁ヶ谷(かりや)駅跡。現・バス停。
(2004年12月23日撮影)
雁ヶ谷バス停を過ぎると間もなく、国道は武生方面と敦賀方面とに分かれ、敦賀方面の右へ進むと
柳ヶ瀬トンネルがすぐの所にある。
(2004年12月23日撮影)
柳ヶ瀬トンネルを抜け出るとそこはもう福井県であり、しばらく行くと刀根の集落にたどり着く。
その集落の公民館軒下に、国道の拡幅工事により消滅した刀根トンネルの要石(トンネルの表札)が大切に保存されていた。
「刀根大火復興記念の碑」の周りにレールが土止め用として活用されていた
刀根大火復興記念の碑(2004年12月23日撮影)
刀根大火復興記念の碑 ー 「昭和21年10月2日午後1時、当区南端日本カーバイト刀根工場社宅
より出火、折からの南風にあおられ、必死の消火も空しく、約3時間で全戸数が灰となった。その後全区民協力一致、寝食を
忘れ復興に努力の結果、以前に優る復興をみた。20周年にあたり、永久に忘れることのなきよう、この碑を建つ 昭和41年10月2日 刀根区」
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