旧 宇部興産渇F部鉱業所沖の山鉱 その2  山口県宇部市大字小串

 三井鉱山と宇部興産の違いは、三井鉱山は過去のものとなったが、宇部興産は炭鉱閉山後も化学部門に力を注ぎ、現在も宇部市形成の一翼を担っているという点であろう。その製品はデジタル家電や家庭用品、自動車部品、医薬品等、身近なものから最先端の航空宇宙分野まで、幅広く活用されている。それだけに、「今日の社業の基盤は炭鉱の遺産に負うところ大なるものがある」とし、その象徴として沖ノ山電車竪坑遺構等が自らの手で大切に保存されていた。

沖の山コールセンター(海外炭集積基地)(2005年7月27日撮影)

 沖の山コールセンターは、主に豪州から輸入された石炭を、電力・セメントをはじめとする国内石炭ユーザーに安定供給するための輸入中継基地で、年間取扱能力600万トンであり、日本では最大級の規模を誇る。
 営業開始24年目にあたる10月12日、豪州からの石炭運搬船"YOMOSHIO号"からの荷揚げで石炭受入累計数量1億トンを達成する予定。
 ちなみに宇部地区における宇部興産関連炭坑(沖の山炭鉱・東見初炭鉱)において、開坑から昭和42年の閉山までの約70年間に採掘された累計採炭量は約5,800万トンであるので、この2倍近い量を輸入したことになる。(宇部興産潟zームページより)

 宇部興産叶ウ門から望むこの沖の山コールセンターは、案内人の話によると、「以前は炭鉱社宅があった所」であるという。

西沖ノ山踏切(2005年7月27日撮影)

 JR居能駅から宇部港線(貨物線)が分岐、宇部港から宇部興産の工場まで専用鉄道が延びていた。宇部興産はその後石灰鉱山と工場間の宇部興産専用道路を建設、現在はトラック輸送に置き換えられ、鉄道は廃止されている。

貨物駅の宇部港駅事務所(2005年7月27日撮影)

BACK NEXT