日本亜鉛鉱業樺竜鉱山   福井県大野郡和泉村上大納 (2001年5月27日撮影)

 中竜鉱山が所在する和泉村は、北陸道福井インターから国道158号を九頭竜ダム目指して 約60q、車で約1時間20分の所に位置する。

 和泉村は、面積の94%が森林に覆われ、大野市に接する位置にある村内最高峰の荒島岳(1,524m)をはじめ、岐阜県との県境 に位置する滝波山、平家岳、毘沙門岳など1000m級の高峰がそびえる山岳村である。

 人口は、昭和40年の1147世帯5723人をピークに、昭和42年九頭竜ダム完成に伴う17集落約530世帯2000人が水没のため移住し、 2453人と約半減した。さらに昭和62年、円高による金属価格の暴落のため、年間約45万トンを有する日本有数の鉱山に成長して いた中竜鉱山も閉山、人口は1052人になった。そしてその後は緩やかに過疎化が進み、2004年11月11日現在、人口は752人となっ ている。

 今から約750年前の寛元年間に発見されたとされ、主に銀、鉛の採掘を行ってきた三井系の日本亜鉛鉱業株式会社(昭和9年 設立)であったが、現在は「アドベンチャーランド中竜(なかたつ)」として地底探検を売り物に、大斜坑を一般に有料で公開し ているのみである。今も所々に残る鉱山跡も、そのうちまた野山に帰り、ここに在った鉱山労働者とその家族の生活史も忘れられ て行くのであろうか。

日本亜鉛鉱業且末ア所

 

日本亜鉛鉱業且末ア所

 

 

 

 

大斜坑

 

 

 

 

 

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